一人暮らしを始める前、ネットで物件を眺めていたら「礼金ゼロ」の表示が目に入る。月の家賃は同じなのに、初期費用は1ヶ月分も違う。
「これってアリなの?」と思い、私は申し込みボタンに手が伸びなかった。
「ゼロゼロ物件=訳あり」って噂もよく聞く。安いのには理由があるはずと警戒してた。
それでちょっと調べて、結局選んだのは礼金ゼロ・敷金1ヶ月・仲介手数料1ヶ月の物件。手取り20万円の私が初期費用50万円に抑えて、手元には10万円が残った。
礼金ゼロ物件が怖くて3日調べた話

実家暮らし時代の終わりごろ、ネットでお部屋を眺めるのが日課になってた。「礼金ゼロ」って書かれた物件はいくつもある。
最初は「ラッキー」しか頭に浮かばない。でも、いざその物件をクリックしようとした瞬間、
「安いけど大丈夫?」「ゼロゼロ物件=訳ありって聞くし」
不安をスマホのメモに書き出してみたら、こうなる。
- 退去するときにクリーニング代を別で取られるらしい
- 「2年以内に出ると違約金」みたいな短期解約違約金がついてる物件がある
- そもそも人気がない物件だから礼金ゼロにしてる説
- 家賃に上乗せされてるから結局トントン説
調べてみると、4つともホントに当てはまる物件は実在する。
「やっぱりやめとこうかな」って一瞬思いかけた。
でも、3日調べてもうひとつわかってきたことがある。
「全部の礼金ゼロ物件がそうなってるわけじゃない」ということ。
退去時のクリーニング代が契約に組み込まれてる物件もあれば、ふつうに敷金から払う物件もある。短期解約違約金がついてない物件もあるし、家賃が周辺相場と同じくらいの物件もある。
ようは「契約書にちゃんと目を通せばいい」だけの話。「礼金ゼロ=危険」と決めつけて全部スルーするのは、選択肢を勝手に狭めてるだけだなって思えてきた。
「不安だけど、調べてダメな物件だけ避ければいい」。そう腹を決めてからは、礼金ゼロも候補に入れて物件を見られるようになる。
私が選んだのは「礼金ゼロ・敷金1ヶ月・仲介手数料1ヶ月」の物件

結果的に契約したのは、礼金ゼロ・敷金1ヶ月・仲介手数料1ヶ月の物件。家賃は管理費込みで61,000円。1Kで駅徒歩8分、管理人さん常駐の都内近郊。
悩んだのは「敷金もゼロにしないの?」というところ。敷金もゼロの「ゼロゼロ物件」なら、もう1ヶ月分浮く計算。でも、調べた中でこの2つが引っかかる。
- 敷金がない物件は、退去時にクリーニング代が実費で別請求になることが多い
- 「敷金ゼロ」を売りにしてる物件は、家賃に上乗せされて月の負担が大きくなってるパターンもある
「初期費用は減ったけど、退去時にいきなり10万円請求されたら泣くな」。短期で引っ越す予定もなかったから、敷金1ヶ月は預けておいて、退去時に修繕費を引いて返してもらう方が私には安心。
「敷金は預け金、礼金はあげるお金」。これも調べていて納得したポイント。
礼金は戻ってこないけど、敷金は退去時に引き算して残ったら返ってくる。だったら礼金だけゼロにして、敷金は普通に1ヶ月入れる物件がいちばん腹落ちする選択肢だった。
あと、物件選びでこだわったのは「治安・帰り道の明るさ」。駅近・新築よりも、夜に帰ってきても怖くない道かどうかを優先する。
内見は昼と夜の2回。昼は駅からのルート、夜は人通りとコンビニの場所、街灯の数を確認する。私の基準は「ここなら毎日帰れる」
内見で何を見たかは、別の記事にまとめてある。

「礼金ゼロを選びたいけど、どの物件がいいかわからない」。そうなったら、いったん敷金1ヶ月・仲介手数料1ヶ月の標準的なところに絞る。そこから治安・通勤距離・帰り道の明るさで比較するのが私には合ってた。
初期費用は50万円|手元に10万円残った内訳

貯金60万円のうち、初期費用に使ったのは約50万円。手元に残ったのは10万円。
契約時にかかった主な項目はこんな感じ。
- 敷金1ヶ月(家賃61,000円分)
- 仲介手数料1ヶ月(家賃61,000円分)
- 前家賃(入居月の家賃)
- 火災保険料
- 保証会社の利用料
- 鍵交換費用
火災保険・保証会社・鍵交換は、物件と契約内容で金額がけっこう変わる項目。私の場合は、契約時の支払いと引越し代・当面の生活費まで全部含めて約50万円に収まった。
礼金ゼロでも、これだけ項目がある。「初期費用=家賃の◯ヶ月分」って単純じゃない。
火災保険や保証会社の費用が、地味に積み上がっていく。礼金ゼロ=完全に初期費用ゼロじゃないのが、調べる前と後で一番ギャップを感じたところ。
で、ここに加えて家具家電が約24万円。予算10万円のつもりが14万円オーバーした失敗談は別の記事にしてあるから、家具家電を抑えたい人はこっちを見てほしい。

初期費用全体を「契約時の費用+家具家電+引越し費用」でちゃんと逆算した話はこっち。

「貯金は使い切らないで、ちょっと残す」。これは住んでみてから本当にやってよかったと思える。
一人暮らし2ヶ月目に住民税の天引きが始まって手取りが減ったとき、手元の10万円があったから「とりあえず大丈夫」って思える。余白を残しておくこと自体が、節約のスタンスにも通じる気がしてる。
家賃上限ノートで逆算したのが一番効いた

礼金ゼロ物件を探し始める前、私が一番最初にやったのはノートを開くこと。書き出したのは、家賃の上限を出すためのシンプルな式ひとつ。
手取り - 貯金したい額 - 生活費 = 家賃に出せる上限
私の場合:
- 手取り:200,000円
- 貯金したい額:20,000円(先取り貯金で残したい金額)
- 生活費:120,000円くらい(一人暮らしの平均値をネットで調べて、光熱水道・通信・食費・日用品・交際費をざっくり)
- 家賃上限:60,000円前後
これでハッキリしたのは、家賃70,000円の物件は私には無理ということ。「いいな〜」と思ってお気に入りに入れてた駅近の新築マンションが、見事に予算オーバーで圏外に。
逆算しないまま物件を見てたら、たぶん感覚で「家賃7万くらいなら払える気がする」と思って契約してたと思う。住んでから「貯金できない」「生活費がギリギリ」になっていた未来も、ふつうにありえた。
「家賃は手取りの3割以内」っていう言葉はネットにいっぱいある。でも、これだけだと自分に当てはめづらくないですか?
自分の手取りから貯金と生活費を引いた、残りの上限が家賃。この順番で考えると、納得して数字が出る。
家賃の何割が適正かは、別の記事でもう少し詳しく書いた。

結果的に着地したのは、家賃61,000円。手取り20万円の3割ぴったりくらい。
礼金ゼロを選んだことで初期費用も抑えられて、月の負担も無理ない範囲に収まる。「礼金ゼロ物件で得したい」と「家賃で無理しない」が両立したのは、最初に逆算したからだと思う。
繁忙期に焦りたくなかったから5月以降を選んだ

引っ越しの時期は、5月入居。
調べていく中で「賃貸の繁忙期は1〜3月、閑散期は5月以降」というのは知っていく。繁忙期をずらすと家賃や初期費用の交渉余地が出ることもあるらしい。
でも私の動機はそこじゃない。「繁忙期に焦って決めたくなかった」。これが一番大きい。
1〜3月の物件は数こそ多いけど、いいなと思った瞬間に他の人に取られてしまう。「今日決めないと他の申込が入っちゃいます」って急かされる、みたいな話を読んで「私それ無理」と直感する。心配性だから、ひと晩寝かせて納得してから決めたいタイプ。
あと、実家暮らしで1年間貯金してから動こうって決めてたから、4月の社会人1年目スタートに合わせる必要もない。じっくり貯めて、じっくり選びたかった。
結果的に5月入居になって、よかったのはこのへん。
- 不動産屋さんが空いてて、私の質問にゆっくり付き合ってくれる
- 内見を昼と夜で2回お願いできた(繁忙期だったら無理だったかも)
- 「持ち帰って考えていいですか」がふつうに通じる
ただ正直に書くと、家賃や初期費用の値引き交渉は、しなかった。やればもっと抑えられたかもだけど、心配性すぎて「交渉して気まずくなったら…」って気持ちが勝ってしまう。
それでも閑散期に動いたメリットは、「焦らない時間」がもらえること。これに尽きる。
物件数は繁忙期より少ない。それは事実。
でも、「いいなと思った1〜2件をじっくり比べて決める」のがそもそも私のペース。数が少ないこと自体は、困らない。
「3月までに一人暮らし始めなきゃ」って縛りがない人は、5月以降を候補に入れてみてもいいかもしれない。
礼金ゼロを選んでよかったこと・モヤッとしたこと

住んでから振り返って、礼金ゼロ物件を選んでよかったことは3つ。
初期費用が抑えられて、手元に10万円残った。これは住み始めてからの安心感に直結する。一人暮らし2ヶ月目に住民税の天引きで手取りが減ったとき、貯金を取り崩さずに乗り切れたのは、この10万円のおかげ。
2つ目は、保険を月2,000円(県民共済)で済ませる余裕につながったこと。手元に余裕があったから「とりあえず最低限でいいや」って判断できる。これが手元ゼロだったら、保険まで頭が回らなかった気がしてる。
3つ目は、心の余裕。「貯金を全部使い切った」じゃなくて「ちょっと残ってる」状態は、最初の数ヶ月のメンタルにけっこう効く。
逆にモヤッとしたこともある。
クリーニング代は、退去時に発生する契約だった。これは契約書をちゃんと読んで知ってたんだけど、「やっぱり完全にタダにはならないんだな」って、
とはいえ、これは普通の物件でも敷金から引かれるもの。礼金ゼロ特有の損というわけでもない、と調べていてわかってきたポイント。
鍵交換費用も普通に組み込まれてた。一般的なシリンダー錠で1〜2万円、ディンプルキーだと2〜3万円が相場らしい。
前の入居者が使ってた鍵をそのまま使うのは、セキュリティ上ちょっと…って思うから、これは払う前提。でも「初期費用を抑える」って意識で物件を見てると、鍵交換みたいな細かい項目を見落としがち。
あらためて「礼金ゼロ=完全に初期費用ゼロ」じゃない。契約書の内訳を1行ずつ見て確認しておく方が、後でモヤらない。
私は契約日に不動産屋さんで内訳の紙をもらって、その場で読みながら気になるところは聞いた。聞いて変な顔をされることもなかったから、心配しすぎなくて大丈夫。
礼金ゼロ物件の探し方で一番伝えたいこと

3日かけて調べた。1ヶ月かけて物件を比べた。そして5月に入居して、住んでみてからあらためて思う。
「礼金ゼロ物件の探し方」で私が一番伝えたいのは、このあたり。
礼金ゼロは怖くない。でも「ゼロゼロ」(敷金も完全ゼロ)まで飛びつかなくていい。
礼金は戻ってこないお金、敷金は預けておくお金。礼金だけゼロにする選択肢が、初期費用と退去時リスクのバランスがいちばん取りやすい。
家賃上限を逆算してから物件を見る。これをやらないと、礼金ゼロで浮いた分を「ちょっと家賃高めの部屋」に回しちゃって、結局月の負担が増える可能性が高い。手取りから先取り貯金と生活費を引いた残りが、家賃の上限。
繁忙期に焦らず、時期をずらせる人はずらす。家賃交渉とかじゃなくて「焦らない時間」が取れるのが、閑散期のいちばんの価値。物件数は減るけど、自分のペースで比較できるのは私には合ってた。
初期費用は「契約初期費用+家具家電+引越し」で考える。礼金ゼロで契約初期費用を抑えても、家具家電で予算オーバーしたら意味がない(私のことです)。3つセットで貯金額と引き算するのが、いちばん現実に合う。
「礼金ゼロ物件は危険か安全か」じゃなくて、契約書を読んで自分で判断できる物件かどうか。それが、一番納得した結論。



25歳・事務職2年目。
手取り20万円、貯金60万円からの一人暮らし。
「我慢する節約」じゃなくて安心して暮らせる仕組みをつくりたい🍅