保険を整理していたとき、「就業不能保険」という言葉が気になった。
病気やケガで長期間働けなくなったとき、毎月の給付金で収入の減少をカバーする保険。調べると「会社員なら傷病手当金があるから就業不能保険はいらない」という意見がたくさん出てくる。
でも、傷病手当金って手取り20万の自分だといくら出るんだろう。それで生活が回るのかがわからなかった。
結局、自分の固定費に当てはめて計算してみた。
就業不能保険が「いらない」と言われる理由|会社員の傷病手当金

会社員に就業不能保険がいらないと言われるのは、公的な制度ですでにカバーされている部分が大きいから。
カバーしているのが傷病手当金という制度。会社員が加入している健康保険から、働けない期間に給料の約3分の2が支給される。
保険を調べ始めたとき、医療・就業不能・死亡の3つに分けて考えた。医療は県民共済+高額療養費制度でカバーしてる。死亡は20代独身で扶養家族がいないから今は不要。
残ったのが就業不能。「働けなくなって収入が止まるリスク」は正直こわかった。
ただし、自営業やフリーランスには傷病手当金の制度がない。会社員と同じ感覚で「いらない」とは言えないので、ここから先はあくまで会社員の話。
傷病手当金は手取り20万で月いくら?実際に計算してみた

「給料の3分の2」と聞いても、自分の場合に月いくらなのかがぴんとこなかった。実際に計算してみた。
計算のしくみ(2026年6月時点)
傷病手当金の日額は、こんな式で決まる。
支給開始日より前の12ヶ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3
標準報酬月額は、ざっくり言うと「天引き前の給料(額面)を一定の等級に当てはめた数字」。給与明細や会社の通知に載っている。
自分の額面がわかれば、だいたいの金額が出せる。額面の3分の2くらいが傷病手当金の月額、と覚えておくと計算しやすい。
手取り20万の私の場合
私の手取りは月20万円。額面(天引き前)はだいたい24〜26万円くらい。
標準報酬月額を24万円で計算すると、日額は約5,330円で、月額に直すと約16万円になる。26万円なら日額約5,780円、月額で約17万円。
つまり、私が病気やケガで働けなくなったら、月約16〜17万円が支給される計算になった。
もう少し押さえておきたいポイントがある。
- 連続3日休んだ後、4日目から支給される(最初の3日間は「待期期間」で対象外)。
- 支給期間は通算1年6ヶ月。途中で復帰して、また休んでも通算される。
- 非課税で、所得税も住民税もかからない。支給額がほぼそのまま受け取れる。
手取り20万が月16〜17万になる。数字だけ見ると3〜4万円減るけど、「思ったより出るな」が最初の感想だった。
私の固定費に当てはめたら、足りるのか足りないのか

数字だけだと安心できなくて、自分の固定費と並べてみた。
毎月かかる生活費を書き出した
- 家賃:61,000円
- 光熱水道:7,500円
- 通信費(楽天モバイル):3,278円
- 保険(県民共済):2,000円
- サブスク:2,300円
- 食費:30,000円
合計:約106,000円。
傷病手当金が月16〜17万円だから、ここだけ見ると5〜6万円の余裕がある。
落とし穴は社会保険料と住民税
「5〜6万も余るなら大丈夫じゃん」と思いかけたけど、調べたらそう単純じゃなかった。
休職中でも、健康保険料と厚生年金保険料は今まで通りかかる。給料がゼロでも免除されない。私の場合、合わせてざっくり月3.5万円くらい。
住民税も前年の所得に対してかかるから、月約1万円は止まらない。
傷病手当金から社会保険料や住民税が自動で引かれるわけじゃないけど、払う義務はある。会社によって払い方は違うものの、手元から出ていくお金には変わりない。
整理するとこうなった。
傷病手当金:約16〜17万円
− 固定費:約10.6万円
− 社会保険料:約3.5万円
− 住民税:約1万円
= 残り:約1〜2万円
ここから日用品や交際費を出すことになる。月によってはマイナスになるけど、不足分は月数千円〜1万円程度。「足りなくはないけど、1ヶ月も経たないうちに貯金を崩す月が出てきそう」という感覚だった。
結局、貯金がどれだけあるかが分かれ目だった
働けなくなるのは正直こわかった。でも数字を並べてみたら、「足りない額」は月数千円〜1万円くらい。手取り6ヶ月分の生活防衛資金があれば、1年以上は持つ計算になった。
就業不能保険で月5,000〜10,000円の保険料を毎月払い続けるのと、その分を貯金に回して「いつでも使えるお金」を厚くしておくのと。私の場合は後者のほうが合っていた。

それでも不安が残るなら|公的制度で足りない人・足りる人

就業不能保険を上乗せしたほうがいいのは、傷病手当金だけでは生活費の差額が大きい人。たとえばボーナスの割合が高い人は、傷病手当金の計算にボーナスが含まれないから、普段の収入との差が開きやすい。療養が1年半を超える可能性がある病気も、傷病手当金の支給が終わった後が不安になる。
私はどちらにも当てはまらなかった。事務職でボーナスの割合はそこまで大きくないし、独身で扶養家族もいない。
貯金と傷病手当金で数字上は回る。だから「今は上乗せしない」と判断した。
自分の判断が合ってるか、FPの無料相談で答え合わせした

数字を並べて「大丈夫そう」とは思えた。でも、働けなくなる不安は数字だけじゃ消えなかった。
傷病手当金で生活費がギリギリ回ることはわかった。でも「本当にこの判断で合ってるのか」がずっと引っかかっていた。
県民共済だけで足りるか不安になったときと同じ感覚。自分ひとりで調べた結論を、誰かに確認してほしかった。
それでマネードクターのオンライン相談を予約した。スマホから5分くらいで完了。相談は1時間半くらいだった。
収入と支出、今入っている県民共済の内容を伝えた上で、就業不能保険を見送ろうと思っている旨を話した。FPからは「20代独身で会社員なら、傷病手当金+貯金でカバーできる範囲。ライフステージが変わったときに見直せばいい」という見解だった。
医療保険(月3,000円台)の提案もあったけど、「持ち帰って考えます」で終了。後日フォロー電話が1回あって、「見送ります」と伝えたらそれで終わった。
相談の価値は、保険を売りつけられなかったことじゃない。「自分の計算が大きくずれていないとわかったこと」だった。漠然と「足りないかも」と思っていたのが、根拠をもって「今は大丈夫」に変わった。
就業不能保険がいらないかは「自分の不足額」で決まる

「会社員なら就業不能保険はいらない」は、半分合ってて半分足りない。大事なのは自分の数字で確かめること。
やることはシンプルで、額面の3分の2(傷病手当金のざっくりの額)から自分の固定費と社会保険料・住民税を差し引いた金額を出す。その金額で日用品や最低限の生活が回るなら、就業不能保険がなくてもやっていける。足りない額が大きいなら、保険で補うか貯金を厚くするかの判断になる。
私の場合は不足分が月数千円〜1万円程度で、貯金でカバーできると判断して見送った。正解かどうかはわからない。でも、自分の数字で計算した上での判断だから、納得はしている。




25歳・事務職4年目。
手取り20万円、貯金60万円からの一人暮らし。
「我慢する節約」じゃなくて安心して暮らせる仕組みをつくる🍅